先日、愛媛本部に指導に行った折、食事をしながら愛媛新聞のコラムをたまたま読んでいると、タイガーウッズの全英オープン優勝に触れておりました。
先の全米オープンの前、最愛のお父さんを亡くして、あまりのショックのために予選落ちしてしまったのです。しかしその悲しみに耐えて、数ヵ月後の全英オープンでは、見事優勝に返り咲いたのです。並みの選手ではない事は、皆さんが既に御承知でしょう。そのタイガーでさえ優勝インタビューの時、「最愛のお父さんにこの勝利見てもらいたかった。喜んでもらいたかった。」と言って、号泣したのを見た時に、先日お世話になった中嶋常幸選手の話を思い出しました。厳しかったお父さんを、肝臓癌で亡くしてしまった時、勝っても喜んでくれる父親が居ないという寂しさから、大スランプに陥ったと伺いました。
アマチュア時代、タイガーは勝っても負けても父親の胸の中で泣いたそうです。いや、胸の中に飛び込んで泣けたそうです。先日、奈良で高校生が家に放火して、お母さんと兄弟が亡くなってしまった痛ましい事件がありました。聞くところによりますと、奈良県でも有名な進学校で優秀な生徒さんだったそうです。お父さんがお医者さんで、子供にあまりにも大きな期待をかけすぎ、幼少の頃からスパルタで付っきりの厳しい指導をしてきたそうです。本当は彼もこんな事件をおこすよりも、お父さんの胸の中で泣きたかったのではないでしょうか。
もしお父さんの胸の中で、辛い時、悲しい時、嬉しい時、タイガーのようにしがみついて泣く事ができていたら、結果は違っていたのに・・・と思うと残念でなりません!愛媛新聞のコラムにも、このお父さんにもう少しスパルタの中にも優しさが備わっていればこのような悲しい事件は起こらなかったのではと書いてありました。
タイガー、中嶋選手、奈良の高校生、それぞれのお父さん、同じようにわが子を思う気持ちには変わりはないのです。しかし大きく育ってほしいと思う一心でどこかに間違った思い込みが生じたのではないでしょうか。とても考えさせられたコラムでした・・・。