2009年10月30日~11月1日 5回目の強化合宿を無事に終了する事ができました。選手達が思う存分稽古できたのも、新極真会のスタッフの皆様が、陰で支えてくださったからです。子供達には一生懸命稽古に集中出来るように、支えてくださった皆様への感謝を絶対に忘れないでほしいと思います。いつもながら事務局の榎本、田中、山本には心より感謝申し上げます。
全国より小学5年生から19歳までの総勢250名の選手、マスコミ、スタッフ合わせて280名の大所帯の合宿となりました。私が預かる、選手強化委員会にとって、3月のオールジャパン日本代表合宿に次ぐ大きな行事なので、お預かりした子供達を無事に親元に帰すまで気が抜けません。
今回は、宿舎に到着するなり、徳島から参加の子供2人が頭痛でダウンしてしまい、続いて福岡の子供が2人、奈良の子が1人と次々と11名がインフルエンザにやられてしまいました。この日は寒波で、山梨が寒かったのも影響しております。全員近くの病院で見てもらったのですが、3名が新型インフルエンザと診断され、合宿途中で親が迎えに来るという非常事態となってしまいました。今は病院で熱も下がって快復に向かっているとの連絡が入り、少しだけ安心出来ました。また徳島の子供達にずっと付き添ってくれた引率の前川には、大変な苦労をかけてしまいました。
稽古は、いつも同様3日間で計6回の厳しい稽古が行われました。「型コース」「組手コース」「組手と型コース」3コースを子供達に選択させ、特Aランク(全日本入賞者) Aランク(ドリームカップ入賞者) Bランクの3ランク制をを導入。5年生と19歳の年齢差、特AランクとBランクの実力差は想像以上ですが、何とかBの子供達をAまで引き上げてあげようと言うのが私達の目標です。組織を強くする為には、合宿所の隣りにそびえ立つ富士山のように、裾野は広くしないと頂上は高くなりません。「少数精鋭でやった方が」と言う意見も有るようですが、私の考えは20人くらい強くしても、組織の将来の為にはなりません。私達は常に10年後20年後を見据えなければならないからです。
ユースの中から、世界で戦った島本兄弟や将口、それに続く前田兄弟、愛知の加藤3兄弟、河瀬4兄弟など新極真会の将来が楽しみになってくる才能豊かな子供が沢山育ってきております。5年である程度結果が見えてきましたので、これから更に5年後が楽しみです。
子供達には、辛口で申し訳ないのですが、大きい声での挨拶や返事(押忍の徹底)、稽古中の移動の素早さ、試合中よく帯が解ける子には絞め方の改善、時間厳守、食事前の代表や師範方を立ったままでのお出迎え等、私達の育ってきた時代では当たり前の事を、今の子に厳しく伝統を継承していかなければなりません。
最近少しの怪我で、よく試合を棄権する選手がいますが、試合場に立てる以上は新極真会に「棄権」という言葉などありません。今回のユースでも腰を痛めながらも最後まで頑張った奄美支部の亀山真。骨折の為、手にギブスを巻いたまま組手もサーキットもやり通した和歌山支部の横山紀子、私と同室だった監督の奥村は、腰痛で寝返りも打てない状態なのに、子供達の前では絶対に弱音を吐かず痛みと戦いながら、最後まで頑張ってくれました。先の全日本の3位決定戦に、ドクターストップを振り切って試合場に上がってきた山田を思い出しました。私達が大山総裁から引きついで来た伝統が『新極真魂』として後輩達に脈々と引き継がれて来ております。